不動産投資の収益は?種類や計算方法(計算式)を解説!

不動産投資で得られる収益には二つの種類があります。

この記事では、それぞれの不動産投資の収益について解説すると共に、投資判断を行う際に収益をどのように考えれば良いのかを解説します。

不動産投資の収益の種類①:インカムゲイン

不動産投資で得られる収益の一つ目は、インカムゲインという区分に分類される収益です。

不動産投資のインカムゲインとは

インカムゲインとは、一言で言えば、「その投資先を保有している限り、継続的に得られる収益」の事です。「継続収益」や「継続的収入」などと呼ばれる事もあります。

シンプルな不動産投資におけるインカムゲインは、原則、投資先である不動産を利用している第三者から得られる収入になります。例えば、居住用物件(区分マンションなど)を保有している場合、その住居に住んでいる人からの家賃収入がインカムゲインとなります。

もちろん、保有している不動産に利用者がいない場合には、原則、インカムゲインはゼロとなります。ですから、不動産投資を行っている場合であっても、インカムゲインが得られない事もあります。

なお、間接的に不動産を保有している場合には、投資先の商品からの定期的な支払(配当など)がインカムゲインとなります。

不動産投資のインカムゲインの計算方法(計算式)

前述の通り、不動産投資のインカムゲインとは、その投資対象を保有している事によって得られる収入の事です。ですから、シンプルな不動産投資においては、その不動産を活用している第三者から得られた収入の金額が、そのままインカムゲインの金額となるのが原則です。

ただし、「その不動産を活用している第三者から得られた収入」から「その不動産を保有している事によって発生する費用」を控除した金額をインカムゲインの金額として考えるケースもあります。どのような考え方の金額をインカムゲインとして扱うかについては、特に決まりはありません。インカムゲインの金額を把握する目的によって使い分ける事になります。

なお、第三者から得られる収入の金額をそのままインカムゲインの金額とする場合には、「名目(グロス)のインカムゲインの金額」、様々な費用を控除した後の収入の金額をインカムゲインの金額とする場合には、「実質(ネット)のインカムゲインの金額」などと呼ぶ事もあります。

そして、名目(グロス)のインカムゲインの金額から何を(どこまでの範囲の費用を)控除して実質(ネット)のインカムゲインの金額を計算するのか、という計算式にも決まりはありません。この為、投資用物件の情報として実質(ネット)のインカムゲインに関する数字が記載されているような場合には、どのような計算をした結果の数字なのかに注意する必要があります。

なお、投資用の区分マンションに関する資料の場合には、入居者が支払う家賃の金額(更新料などは含めない)を名目(グロス)のインカムゲインの金額として扱い、そこから投資家(オーナー)側が毎月支払う必要のある費用(管理費や修繕積立金など)を控除した金額を実質(ネット)のインカムゲインの金額として扱う事が一般的です。ただし、この場合でも、借入をした場合の金利や税金などを控除するかどうかは、インカムゲインの金額を把握する目的などによって異なるのが一般的です。

不動産投資の収益の種類②:キャピタルゲイン

不動産投資で得られる収益の種類の二つ目は、キャピタルゲインという区分に分類される収益です。

不動産投資のキャピタルゲインとは

キャピタルゲインとは、一言で言えば、「その投資先を売却した場合に得られる収益」の事です。基本的に、売却の際に一度きり得られる収益となります。

具体的には、投資先の不動産の売却金額と取得額の差がキャピタルゲインの金額となります。もちろん、売却金額の方が取得額よりも高い場合には利益となりますが、逆の場合には損失となります。それぞれ、「譲渡益」や「譲渡損」などと呼ばれる事もあります。

不動産投資のキャピタルゲインの計算方法(計算式)

前述の通り、不動産投資のキャピタルゲインとは、その投資対象の不動産の売却額と取得額の差です。ですから、シンプルな不動産投資においては、投資先の不動産の売却価格から取得価格を控除する事で、キャピタルゲインの金額を計算する事が出来ます。

ただし、細かい計算方法(計算式)については、キャピタルゲインの金額を把握する目的などによって異なります。

投資先の不動産の売却価格から取得価格を控除してキャピタルゲインの金額を計算する際には、同時に、「売却の為に発生する各種費用」や「取得の際に発生した各種費用」についても控除する事が一般的ですが、具体的に何を(どこまでの範囲の費用を)控除するのかについては、特に決まりはありません。特に、「税金」「(借入をして取得していた場合の)金利」「売買時の諸費用の精算」などの要素をどこまで含めて計算するかについては、キャピタルゲインの金額を把握する目的によって異なります。また、「物価水準の変動」や「建物の劣化」などを考慮してキャピタルゲインの金額の計算を行う事もあります。

※売却による譲渡所得(税金)を計算する場合には、別途、税務上の考え方が定まっていますので、その決まりに従って計算する事になります。

収益をどのように考えて不動産投資の判断を行うべきか

投資判断における2つの不動産収益の優先度

不動産投資では、「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の両方の収益が期待出来ます。

では、不動産投資に関する判断を行う場合、インカムゲインとキャピタルゲインについては、どちらを優先して判断すべきなのでしょうか。

結論から言えば、「インカムゲインとキャピタルゲインをどのように考えるべきか」という点については、不動産投資を行う目的によります。

継続的な収入が得られる事を期待して不動産投資を行うのであれば、インカムゲインを重視すべきです。逆に、短期的に大きな利益を稼ぐような目的の為に不動産投資を行うのであれば、キャピタルゲインを重視すべきです。

理想は、両方の収益が高い水準で期待できる事ですが、残念ながら、その両立は難しいのが現実です。大きなキャピタルゲインを狙う場合には、インカムゲインは諦めた方が良いケースもあります。

また、インカムゲインとキャピタルゲインを組み合わせて判断すべきケースもあります。

例えば、売却時に損失が出る事が想定される場合であっても、それまでにインカムゲインが十分に得られる場合には、「その不動産投資は成功である」と考えるケースは少なくありません。どちらか片方だけで判断すると、魅力的な投資対象を逃してしまう事にもなりかねないのです。

初心者向けの不動産収益についての考え方

もっとも、初心者の方が長期投資を前提とした不動産投資を検討されている場合あれば、まず、インカムゲインを基本に判断した上で、キャピタルゲインも狙えるような不動産への投資を考えるのがお勧めです。

なぜならば、状況次第で得られなくなるかもしれない将来のキャピタルゲインよりも、投資直後から確実に得られるインカムゲインを重視するスタンスの方が、投資判断の難易度が低いからです。

ただし、その場合であっても、それぞれ、どの程度の収益水準を目標とするかは、その方の投資スタンスによって異なります。ですから、投資対象の選定の際には、出来れば、事情に詳しい専門家の意見を聞きながら判断される事をお勧めします。

特に、高い水準のインカムゲインやキャピタルゲインが期待できるような物件については、その物件が抱える特殊な事情を考慮すべきケースが少なくありません。不動産は様々な事情が関係する投資対象ですので、不動産投資の経験が豊富な方を除き、専門家のアドバイスを受けずに物件選びを行う事はお勧め出来ないのです。

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