この記事では、不動産投資の初心者に向けて、「不動産投資の初心者が選ぶべき投資」というテーマについて解説します。
不動産投資の初心者が選ぶべき投資とは
最初に結論を申し上げますと、不動産投資の初心者が投資すべきなのは、まず、物件については、「空室リスクが相当に抑えられた居住用物件」です。また、賃貸管理については、「賃貸住宅管理業の会社(管理会社)が引き受けてくれる」というスキームでの投資とすべきです。
その理由や詳細、具体的に気をつけるべきポイントについては、この後、詳しく説明していきます。
不動産投資の初心者とは
最初に、不動産投資の初心者とは、どのような人を指すのでしょうか。
様々な定義があると思いますが、この記事では、「不動産投資を実際に行った経験がほとんどなく、適切な投資判断ができる程の経験や知識がない人」を不動産投資の初心者とします。
なお、「大規模な投資を最初から予定されている方」や「他の投資もされていて、不動産投資で大きな損失を出しても問題ない状態にある方」は少し事情が変わってきますので、この記事では不動産投資の初心者には含めないものとします。
不動産投資の初心者の特徴とは
では、不動産投資の初心者には、どのような特徴があるのでしょうか。
まず、不動産投資の初心者は、「物件選びについての判断能力が低い」や「自分自身で投資先の物件管理をするのは(時間や手間の事を別としても)難しい」という特徴があります。
また、「多くの物件を計画的に所有している訳ではないので、投資先からの収入が途絶える状態が長く続くと困る」といった特徴があります。
保有されている資産規模などにもよりますが、「一度の失敗があると、不動産投資を続ける事が難しくなる」や「物件への大規模な追加投資を行う事によって状況を改善する事が難しい」といった特徴があるケースも多いと言えます。
初心者が手を出してはいけない不動産投資とは
選ぶべき投資を考える前に、不動産投資の初心者が手を出すべきではない投資を考えてみましょう。
特長を踏まえると、不動産投資初心者は、どのような投資を避けるべきなのでしょうか。
まず、基本的には、「保有している間の家賃収入が期待できないような投資」は避けた方が良いでしょう。家賃収入が期待できない場合、保有コストがかさみます。この為、安定した投資収入が得られる体制が整うまでは、そのような投資には手を出さない方が無難です。
更に言えば、投資先の中には、プロが見ても、「入居者が集まるかどうか何ともいえない」といった投資先もありますが、そのような投資先にも初心者は手を出さない方が身の為です。そのような投資先は、「何回かに1回は失敗しても構わない」と割り切れる投資家向けと言えます。
また、「入居者が入っている間は高めの賃料が取れるが、一旦、空室になると空室期間が長くなりそう」な投資先への投資も避けるべきです。そのような投資先への投資は、「多くの物件を保有しているので、一定の割合で物件が空室になっていても問題ない」という割り切りができる投資家向けです。空室になっている間は、その投資先からの収入が途絶え、逆に出費がかさむ事になるのが原則となります。不動産投資初心者の場合には、そのような状況が続くと投資を続ける事自体が難しくなる可能性があるからです。
※空室の期間中も収入が途絶えないようなスキームでの投資も可能ですが、そのような投資には注意点があり、何も考えずに、そのようなスキームで投資をすると大きなリスクを抱える事になる場合があります。個別の事情を踏まえた判断が必要となりますので、そのようなスキームで投資される場合には、専門家への事前相談をお勧めします。
そして、「物件の管理を自分でしなければならない投資」や「大規模な追加投資をしないといけない投資」についても、未だノウハウの蓄積がない初心者は避けた方が無難です。
どのように初心者は不動産投資を始めれば良いのか
では、不動産投資の初心者は、どのように投資を始めれば良いのでしょうか。
不動産投資の初心者が投資を始める場合には、まず、「投資用不動産を扱う業者の中から、自分に合った真っ当な業者を見つけ、そこから提案をしてもらう(そして、良いと思った物件に投資する)」という動き方をお勧めします。
初心者の場合、自分自身で一から物件を探そうとしても、その知識がありません。下手に動くと、落とし穴のある物件を掴まされてしまう場合もあるでしょう(残念ながら、様々な問題を抱えた不動産は多いのですが、初心者が問題を見抜いたり対応したりする事は困難です)。
ですから、業者がチェックして投資家向けに販売できるように準備してくれている物件から選ぶ方が安心です。また、投資家向けに準備された物件であえば、通常、購入後に「管理を任せる仕組み(どのような条件で管理を管理会社に任せられるのか)」といった点についても調整が既に済んでいますので、投資後はスムーズに管理を任せる事ができます。
そして、投資する物件については、「間違いなく入居者からのニーズがあり、想定している賃料収入が途絶える事が無い(入居者が変わる場合でも、空室が長引くような事はない)」と自分自身で確信できる物件を選ぶようにして下さい。
なお、居住用物件(住宅用物件)と事業用物件を比べると、事業用物件の方がニーズが多様である事などから物件選びの難易度は高くなりがちです。同様に、単身用とファミリー用を比べると、ファミリー用の方が収支予測が難しい為、物件選びの難易度は高いと言えます。ですから、初心者には、「居住用」で「単身用」の物件が向いています。
また、物件管理についてのノウハウがないと、物件管理のコストは高くなりがちですし、適切な管理が出来ないと、入居者とトラブルにもなりかねません。この為、管理については、適切なコストで物件管理を引き受けてくれる賃貸住宅管理業の会社に任せられるスキームで投資を行うべきです。
初心者が不動産投資に取り組む際の注意点
しかし、不動産投資の世界には、本当に多くの業者が存在しており、何も解らない初心者の場合、あまり良くない物件や条件を提示してくる業者に出会ってしまう可能性もあります。
この為、可能であれば、業者を探し始める前に、「どのような業者を探せば良いのか」や「どのように業者を探せば良いのか」といった点について、専門家にアドバイスをもらっておく事をお勧めします。
また、良く質問を頂く点ではあるのですが、「どのような物件が合っているのか」や「どのような条件で不動産投資に取り組むと良いのか」といった点については、結論が投資家によって異なる部分があります。
この為、これらの点についても、出来れば、事前に専門家に相談して意見を聞いておく事をお勧めします。
なお、既に物件を具体的に選定中の場合でも、専門家に相談するのが遅すぎるという事はありません。「検討している物件が自分にとって適切な投資先と言えるのか」や「投資の前提となっている条件やスキームは自分にとって適切か」といった点について、結論を出す前に専門家に確認される事をお勧めします。
専門家への相談には費用がかかりますし、面倒と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、相談によって、投資のリターンやリスクの改善に繋がる可能性が十分にある訳ですから、その費用や時間は必要コストと考え、迷わず相談される事をお勧めします。もちろん、当センターでも相談はお受けしています。